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マグネシウムと健康について【11月30日(土)臨時休診をいただく理由も含まれています。】

[2019.11.11]

今、マグネシウム(Mg)が注目されています。Mgは以前から、日本人に不足している4大ミネラル:鉄、カルシウム、亜鉛、マグネシウムとして有名でした。しかしMgと疾患の関係に関しては他のミネラルに比べてあまり研究されていませんでした。私は、数年前からMgに興味をもち始めました。というのは、私の専門分野である糖尿病の飲み薬の一つ(SGLT2阻害薬)が、血液中のMg濃度を上げてくれるという論文が出たからです。この薬は(過去のこのブログでも書きましたが)糖尿病患者様の腎臓を守ってくれて、透析になるのを15年位遅らせる可能性がある事が今年発表されました。また心不全のお薬(糖尿病が有っても無くても)としても認可されそうな気配です。さらには糖尿病患者様の寿命を延ばすとも論文上指摘されています。しかし、どうしてこの薬にこのような力があるか明確にはまだ解かっていません。このような素晴らしいお薬で血液中のMgが上がるのだから、Mgは我々の体の中できっと良い事をしているのに違いないとすぐに虜になりました。調べてみると、Mgは心臓の病気の改善に役立つとか、腎臓にも役立ちそうな論文が増えてきました。すでに医療の世界でMgといえば酸化Mgというお薬が有名で、皆さんも便秘の薬としてご存じの方も多いと思います。Mgはこのように塩類下剤として健康に貢献しています。しかし、腎臓が悪い方が飲むと血液中のMg濃度が上がりすぎることもあり危険だという事に注意が向けられていました。少し血液中のMgを上げることは、腎臓にも良い場合があるという全く別の考え方が、今医療者に必要になってきているのです。医療の世界では、過去の常識は、今の非常識という180度考え方が変わってしまうことも少なからずあります。皆さんの不安を掻き立ててしまったら、ごめんなさい。最新の医学常識の恩恵にあずかれば良いのだと、プラス思考でいきましょう。

 そんなこんなで、当院のスタッフに「そのうち健康バラエティー番組でマグネシウムを必ず取り上げるぞ」と予言しておきましたら、今年すでに【ガッテン】をはじめとして知っているだけで3つの番組で取り上げられていました。スタッフの前では、ちょっとだけドヤ顔をすることができました。そうそう、患者さんの前ではいけませんね。院長自ら悪い見本にならない様、このブログを書いていてあらためて自分に言い聞かせたいと思います。長くなってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。というわけで11月30日(土)糖尿病腎症研究会でマグネシウムをテーマに発表してきます。ご迷惑をおかけしますが、ご理解ご協力よろしくお願いいたします。

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